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/ Mac Power 1999 February / MACPOWER-1999-02.ISO.7z / MACPOWER-1999-02.ISO / 9902⁄AMUG / PUBLISHING / QuoEdit 044.sit / QuoEdit 0.44 / Manual / QuoEdit044.man.j < prev    next >
Text File  |  1998-10-19  |  36KB  |  575 lines

  1. /*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*
  2.  
  3.                     QuoEdit  version 0.44  (Japanese)
  4.  
  5. */*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/
  6.  
  7.  
  8.  
  9. QuoEditはSystem 7以降(漢字Talk 7.1以降)のMac OS上で動く単一スタイル用のテキストエディタです。
  10. QuoEditはAppleScript対応でもあります。AppleScriptやAppleイベント(Apple社の行事のことではありません)について分からない箇所は取り敢えず読み飛ばしてください。
  11.  
  12.  
  13.  
  14. ●0 新仕様・変更点など
  15. 0.1 バージョン0.44の新仕様
  16. 0.1.1 コンテクストメニュー
  17. テキストの編集領域で、編集(Edit)メニューの基本的なコマンドについてコンテクストメニューが使えるようになりました。但しOSに組み込まれている必要があります。
  18.  
  19. 0.1.2 current folder(スクリプト)
  20. applicationクラスオブジェクトの新プロパティです。これによってOpen、Save As、Insert Fildの標準ダイアログが現在表示するフォルダの取得/設定ができます。
  21.  
  22. 0.1.3 styl(スクリプト)
  23. SaveとCloseイベントの新しいパラメータです。このパラメータにtrueを指定することでSimpleTextが認識するスタイル情報を保存できます(但しQuoEditで作られたファイルのみ)。尚、これはスクリプティングでのみ指定可能なオプションです。
  24.  
  25. 0.2 変更点/改良点
  26. 0.2.1 [command-tab][command-shift-tab]
  27. 新しいOSであるMac OS 8.5では、プログラムの切り替えに[cmd-tab]のショートカットキーが使えるようになりました。従って、QuoEditで使ってきた[cmd-tab]と[cmd-option-tab]は今回各々[control-tab]と[control-option-tab]に変更しました。これらは書類ウィンドウ上でタブの間を行き来するショートカットキーです。ショートカットガイドのMoving Caretの8ページ目をご覧下さい。
  28. 尚、スクリプトでDo Key文に対して[command-tab]を指定して既に書かれた、或いは記録されたものは従来通り動きます。詳細については4.14節をご覧下さい。
  29.  
  30. 0.2.2 現在のフォルダの記憶
  31. Open、Save As、Insert Fildの標準ダイアログで最後に表示したフォルダを、訳あってQuoEditが独自に記憶するようにしました。
  32.  
  33. 0.2.3 エイリアスのオリジナルへの参照(スクリプト)
  34. QuoEditのフォルダ内のファイル/フォルダへの参照をスクリプトで取得する為の新仕様です。詳細については4.10節をご覧下さい。
  35.  
  36. 0.2.4 パラメータ“style”の名称変更→“styl”(スクリプト)
  37. CutとCopyイベントのstyleパラメータは今回stylに変更されました。これは、スタイル情報の形式の名称をそのまま使うようにした為です。尚、このパラメータは今回のバージョン0.44よりSaveとCloseイベントでも共通して使うことができます。
  38.  
  39. ※この名称変更はコンパイル済みのスクリプトには影響ありません。ソフトウェアが内部で使う言葉自体には変更がありませんので、人間の(目に見える)言葉の変更はAppleScriptが自動的に書き換えるようになっているからです。
  40.  
  41. 0.3 改善点
  42. 0.3.1 ファイルダイアログ
  43. 環境によって、標準ファイルダイアログの一つが開かれた後、ダイアログボックスの内容が表示されないことが時々ありました。
  44. この問題は0.43で改善されていますが、更に今回改善しました。
  45. それでも、もしこの状況に出会った時はキャンセルボタン叉はエスケープキーを押してやりなおしてみて下さい。それでうまくいくと思います。
  46. (これに関しては、OSがダイアログボックスをアップデートするタイミングの問題と考えています。原因としては、QuoEditの側で独自にフォルダの移動の手続きをしたり、オプションキーの状態を把握しながらボタンの名前を調整したりしていることが該当すると思われます。危険なバグということではありません。)
  47. この件については、Tonyさんより継続してご報告を頂きました。厚くお礼申し上げます。
  48.  
  49.  
  50. ●1 ファイル/フォルダ
  51. 1.1 QuoEdit
  52. アプリケーション本体です。
  53.  
  54. 1.2 QuoEdit Preferences(初期設定)
  55. QuoEditはこのファイルの中に、新規書類の為の設定やアプリケーションの状態、プリンタ用の情報、最近のファイルとフォルダの情報を保存します。
  56.  
  57. QuoEditが起動するとき、最初にQuoEditのフォルダからこのファイルを探します(バージョン0.4以降)。見つからない場合は起動ディスクのシステムフォルダの初期設定フォルダ内を探し、また見つからない場合はそのフォルダ内に新規に作ります。その為、通常は初期設定フォルダ内にあります。
  58.  
  59. もし複数の起動ディスクがあってそれぞれの起動ディスクから同じ条件で使いたい場合は(或いは単にわずかでも起動時間を縮めたい場合は)、この初期設定ファイルをQuoEditと同じフォルダに移動して下さい。もし初期設定フォルダに残っていたら捨てておきましょう。
  60.  
  61. QuoEditは起動時に一度このファイルを読み、終了時に全体の情報を書き直します。もし最近のファイルなどの新しい情報を記録したくない場合は、QuoEdit終了前にFinderでこのファイルを複写しておいて終了後に古い方に入れ替えるということができます。
  62.  
  63. 1.3 QE Shortcuts
  64. QuoEditのショートカットについてのApple Guide用のガイドファイルです。
  65. Apple Guideが有効でない場合は、MiscellaneousフォルダのQE Shortcuts.txtというファイルで内容を見ることができます。
  66.  
  67. 1.4 Scriptsフォルダ(エイリアスファイル可)
  68. コンパイル済みのスクリプトを入れておく為のフォルダです。勿論自分でスクリプトを書いてこのフォルダに入れておくこともできます。このフォルダ内のスクリプトはExecute Scriptコマンドから素早く選択実行できます。(Execute Scriptsについては2.5.2参照)
  69. 一方で、使わないスクリプトはこのフォルダから外してすっきりしましょう。
  70.  
  71. [Get the URL]
  72. このスクリプトは以前スクリプティング対応バージョンのInternet Configを呼んでいましたが、環境によっては(うちの新しいG3 Macでは)Internet Configが無事に終了できないことが分かりました。
  73. そこで現在は、OSのスクリプティング機能追加として提供されているコマンドでURLを開くようにしています。
  74. 但し該当するコマンドを含むファイル(osax)がスクリプティング機能追加フォルダになければ実行できません。Mac OS 7.x.xの場合、ICScriptor(下記で入手可)というアプリケーションをインストーラーで組み込むと必要なosaxが組み込まれるようになっています(但し英語名でScripting Additionsフォルダが機能拡張フォルダ内に必要)。
  75.     <http://hyperarchive.lcs.mit.edu/HyperArchive/Archive/dev/osa/>
  76.  
  77. 1.5 Applicationsフォルダ(エイリアスファイル可)
  78. アプリケーションまたはそのエイリアスを置いておく為のフォルダです。何でも好きなものを置いて下さい。Launch Applicationコマンドから素早く起動できるようになります。(Launch Applicationについては2.5.6参照)
  79.  
  80. [Save, QuoEdit!]
  81. QuoEditに編集中の書類を定期的に保存させるアプレットです(初期設定で3分ごと)。QuoEdit終了後は自動的に終わるようになっています。
  82.  
  83. 1.6 Documentsフォルダ(エイリアスファイル可)
  84. どんなファイルでも置いておけるフォルダです。頻繁に開くファイルまたはそのエイリアスを自由に入れて下さい。Let It Openコマンドから素早く開けるようになります。(Let It Openについては2.5.7参照)
  85.  
  86. [My Scraps]
  87. 漢字Talk 7.5以降用のスクラップブックの空のファイルです(それより古いOSでは開けません)。自由にお使い下さい。
  88.  
  89. 1.7 Manualフォルダ
  90. この文書のあるフォルダです。
  91.  
  92. 1.8 Miscellaneousフォルダ(雑多なもの用のフォルダ)
  93. [WrapIt]
  94. Appleイベントを通じてテキストを強制的に改行するアプリケーションです。Scriptsフォルダ内の“Wrap”というスクリプトからこれを使っていますが、他のスクリプティング対応プログラムとの組み合わせでも自由に使えます。
  95.  
  96. [Remove Null Chars]
  97. QuoEditのバージョン0.31〜0.321では、韓国語用のパワーイムニョッキというインプットメソッドで入力するとスペースに続いてコードがゼロの文字(ヌルキャラクター)が入力されるという問題がありました。既にこの文字を含むテキストを作られた場合、このRemove Null Charsで取り除くことができます(お手数かけます)。
  98. (拙作のアプレットとドロップレットについてのコメントは、起動時にcontrolキーを押すと見ることができます。)
  99.  
  100.  
  101. ●2 メニューコマンド
  102. SimpleTextやTeachTextなどを少しでもお使いでしたら基本的コマンドについてはお分かりのことと思います。多くの場合、和訳をもってそのメニュー項目の機能についての記述と致します。
  103.  
  104. 2.0 Appleメニュー
  105. 2.0.1 About QuoEdit(QuoEditについて)
  106. QuoEditのフォルダに“About QuoEdit”という名前のPICTファイル又はQuickTimeムービーファイル(又はそのエイリアス)があってメモリも充分な場合、その内容を表示します。最大サイズは幅400ピクセル×高さ300ピクセルです。
  107. (但しムービーを作る予定は現時点でありません。ご希望でしたら独自にムービー又はピクチャーを用意して頂くことも可能です。そのような奇特な方はおられない?)
  108.  
  109. 2.1 File(ファイル)
  110. 2.1.1 New(新規)
  111.  
  112. 2.1.2 Open(開く)
  113. 通常通りファイルを開きます。加えてQuoEditはそのファイルとフォルダを最近開いたものとして記憶します。但しcontrolキーと一緒にOpenボタンを押した場合は記憶をしません。
  114. (開き終わる時点でcontrolキーが押されている場合もそのファイルを記憶しません。これはFinderからファイルを開く時にも適用されます。)
  115.  
  116. ショートカットキーについて、cmd-Oとcmd-Iのタイプミスにご注意下さい。且つ、常に太枠ボタンの名前を確認されることをお勧めします。
  117.  
  118. 2.1.3 Open Recents(最近開いたものを開く)
  119. 最近開いたファイル又はフォルダを開きます(複数可)。QuoEditは最後に開いたファイルとそのフォルダを各々8つまで、Mac OSが追跡できる間記憶します。
  120. ショートカットキーはcmd-shift-Oです。
  121.  
  122. 一度覚えたものを忘れたい時は、目的のものを選んでcmd-deleteを押して下さい。
  123. その他、ファイルリストでのshift + Openボタンも試してみて下さい。
  124.  
  125. 2.1.4 Close(閉じる)
  126. Optionキーを押しながら実行すると全ての書類を閉じます。
  127.  
  128. 2.1.5 Save(保存)
  129. Optionキーを押しながら実行すると全ての書類を保存します。
  130.  
  131. 2.1.6 Save as(別名で保存)
  132. ショートカットキーはcmd-shift-Sです。
  133. ファイルを開く時同様、QuoEditは新しいファイルとそのフォルダを最近のものとして記憶します。但しcontrolキーと一緒に保存ボタンを押した場合は記憶をしません。
  134.  
  135. 2.1.7 Revert(復帰)
  136. ショートカットキーはcmd-shift-Rです。
  137.  
  138. 2.1.8 Insert File(ファイル挿入)
  139. Optionキーの併用でどのファイルのデータでも取り込めます(リソース部分ではなくデータ部分のみ)。
  140.  
  141. 2.1.9 Page Setup(用紙設定)
  142. ショートカットキーはcmd-shift-Pです。
  143. このダイアログボックスで設定された内容は編集中の書類の属性となります。
  144. 書類を全て閉じてからこのコマンドを実行すると、デフォルトとして設定されます。一方でPrintダイアログの内容をデフォルトとして設定したい場合は、書類を全て閉じてからPrintコマンドの方を実行してみて下さい。
  145.  
  146. 2.1.10 Print Options(印字オプション)
  147. ショートカットキーはcmd-option-Pです。
  148.  
  149. 2.1.11 Print(印字)
  150.  
  151. 2.1.12 Quit(終了)
  152.  
  153. 2.2 Edit(編集)
  154. 2.2.1 Undo(取り消し)
  155. 書類ごとに10回までの取り消し/やり直しが可能です。上限を増やす程メモリも消費されますが、Misc Appl Propsダイアログボックスで回数の上限を加減できます。
  156.  
  157. 2.2.2 Redo(やり直し)
  158. ショートカットキーはcmd-shift-Zです。
  159.  
  160. 2.2.3 Cut(切取)
  161. Optionキーを併用するとスタイル付テキストとしてカットできます。
  162.  
  163. 2.2.4 Copy(複製)
  164. Optionキーを併用するとスタイル付テキストとしてコピーできます。
  165.  
  166. 2.2.5 Paste(貼込)
  167.  
  168. 2.2.6 Clear(消去)
  169.  
  170. 2.2.7 Select All(全てを選択)
  171.  
  172. 2.2.8 Typeface(文字体裁)
  173. フォント、サイズ、行送り、タブのピッチを設定します。
  174. 行送り(leading)の最小値として、フォントサイズと同じ値が指定できるようになっていますが、送りを小さくしすぎると適切に表示できないことがありますのでご注意下さい。
  175.  
  176. 2.2.9 View(表示)
  177. Viewダイアログボックスの設定は画面表示のみに反映します。例えばウィンドウは白黒反転やグレーにできますが印刷結果は常に通常通りです。或いは改行文字の表示はそれを印字するかどうかには影響しません。
  178.  
  179. 2.2.10 Misc Appl Props(アプリの属性あれこれ)
  180. 2.2.10.1 Auto Indent(オートインデント)
  181.  
  182. 2.2.10.2 Intelligent Cut & Paste(インテリジェントカット&ペースト)
  183. このオプションがチェックされている場合、Cut、Paste、Clear、或いはドラッグアンドドロップを行う際、前後するスペースを自動的に調節します。
  184. 挿入されるテキストが255バイトを越える場合QuoEditはスペースを前後に加える処理をしませんのでご注意下さい。
  185.  
  186. 通常の1バイトのスペース(20h)についてのみ処理します。QuoEditは日本語と中国語のテキストについてはなるべくスペースを加えないように努めますので、このオプションによる効果はあまり大きくありません。韓国語テキストについては1バイトのスペースで単語を区切る習慣上、日本語・中国語と処理方法を変えています。
  187.  
  188. 2.2.10.3 Remember Selection(選択箇所記憶)
  189. 最終保存時の選択箇所を記憶するオプションです。
  190.  
  191. 2.2.10.4 TSM aware(TSM対応)
  192. もしお使いのインプットメソッドでインライン入力に問題がある場合は、このオプションをoffにしてみてください(ことえりで問題がないことは当方で日頃確認済)。
  193. 尚、QuoEditが扱うTSM(Text Services Manager)のサービスは現時点でインライン入力だけです。
  194.  
  195. 2.2.10.5 Caret Speed(キャレット速度)
  196. キーボードコントロールパネルで最速に設定しても物足りない場合に使ってみて下さい。但し古いCPUでは効果はないようです。その場合はノーマルに戻して下さい(ダイアログボックス上でcmd-1)。
  197.  
  198. 2.2.10.6 Undo Levels(やり直しの回数)
  199. 取り敢えず1〜10回までで指定できるようにしています。
  200.  
  201. 2.3 Search(検索関連)
  202. 2.3.1 Find(検索)
  203.  
  204. 2.3.2 Find Backward Again(後方再検索)
  205.  
  206. 2.3.3 Find Forward Again(前方再検索)
  207. Shiftキーを押しながら行うと、選択範囲を現在位置から拡大します。同様のことは他のコマンドにも適用されます。
  208. Optionキーを押しながら行うと、目的の文字列を選択しません。同様のことは他の検索コマンドにも適用されます。
  209.  
  210. 2.3.4 Enter Selection(選択範囲取込)
  211. 選択範囲を検索文字列として取り込みます。Optionキーの併用で置換文字列として取り込みます。
  212.  
  213. 2.3.5 Replace(置換)
  214.  
  215. 2.3.6 Replace & Find Next(置換及び次検索)
  216.  
  217. 2.3.7 Replace All(全置換)
  218.  
  219. 2.3.8 Jump To(移動)
  220.  
  221. 2.4 Windows(窓)
  222. 2.4.1 Window Size(窓の寸法)
  223. ウィンドウのサイズは勿論サイズボックスをドラッグすることで変更できるのですが、このダイアログボックスでは特殊なサイズも指定できます。よかったら -1 あるいは他のマイナスの数値を試して下さい。
  224.  
  225. 2.4.2 Arrange(整列)
  226. モニターの左上の混雑を避けるべく、新しいウィンドウの位置を変えられます。
  227. ウィンドウを並べ直すと同時にWindowsメニューのショートカットキーも整理します。
  228. Arrangeボタンを押す時、Optionキーの併用で上に積み上げ、shiftキーの併用で下方向に積みます。
  229.  
  230. 2.4.3 Previous(前)
  231. Windowsメニューの中で一つ前のウィンドウがあれば選択します。
  232.  
  233. 2.4.4 Next(次)
  234. Windowsメニューの中で次のウィンドウがあれば選択します。
  235.  
  236. 2.4.5 ウィンドウのリスト
  237. 書類が新しく作られるか開かれる際にメニューの最下段に名前が追加され、閉じる際に除去されます。一度閉じて再度開かない限り順番が入れ替わることはありません。
  238.  
  239. 編集中の書類の名前は太い字体で表示されます。また、テキストの内容に変更がある書類の名前には菱形のマークが付きます。
  240.  
  241. 2.5 Extras(付加価値的機能)
  242. 2.5.1 Last Script(直前のスクリプト)
  243. Execute Scriptで(或いはDo Scriptイベントで)最後に選択実行したスクリプトを再度実行します。
  244. ショートカットキーはcmd-shift-Uです。
  245.  
  246. 2.5.2 Execute Script(スクリプト実行)
  247. QuoEditのフォルダの“Scripts”フォルダ(又はその他のフォルダ)にあるスクリプトファイルを選択実行します。
  248.  
  249. スクリプトをファイルから読み込んだ後、QuoEditはそのスクリプトデータをメモリに一時保存し、最後のスクリプトとして繰り返し実行可能になります。但しcontrolキーと一緒に実行ボタンを押した場合はメモリ保存をしません。(いずれにしても、元のファイルについての情報は何も記憶しません。)
  250.  
  251. オプションキーと一緒に実行ボタンを押すとスクリプトファイルを開くことができます。
  252.  
  253. 2.5.3 Record Sequence/Stop Recording(操作の記録/停止)
  254. 一連の操作をスクリプトとして記録します。
  255. ショートカットキーはcmd-option-Bです(BはkeyBoardマクロに由来)。
  256. (「AppleScript版キーボードマクロ」と理解して構いませんが、正式にはキーボードマクロとは区別します。実際アップルのスクリプティングアーキテクチャに大きく依存し、スクリプト記録対応の他のソフトでの操作も記録します。)
  257.  
  258. QuoEditは、キーボードの操作は現在の位置に対して相対的な動きとして記録しますが、マウスのクリックは絶対的な位置で記録しますのでご注意下さい。
  259. ダイアログボックスでの操作については、最終的に変更された結果のみが記録されます。
  260.  
  261. 最初にこの機能を使う時は、AppleScriptの機能が起動するのに時間がかかりますのでご注意下さい。
  262.  
  263. あと、漢字Talk 7.1でAppleScriptを使われている場合“インラインフィルタ”のインストールをお忘れなく。
  264.  
  265. 2.5.4 Run Sequence(操作の再生)
  266. スクリプトとして記録された一連の操作を再生します。
  267.  
  268. 2.5.5 Save Sequence(操作の保存)
  269. 記録された一連の操作をスクリプトファイルに保存します。
  270. ショートカットキーはcmd-shift-Bです。
  271.  
  272. しばらく頻繁に実行する予定でしたら、デフォルトのフォルダに次の形式で名前をつけてみて下さい。
  273.     ~a    ~b    ~8    ~3        など
  274. Scriptsフォルダにあるこの形式の名前のスクリプトは、cmd-ctrlショートカットキーで実行できます。例えば、cmd-ctrl-Eで“~e”という名前のスクリプトを実行できます。
  275. これは他のスクリプトファイルにも適用されます。例えば、頻繁に使うスクリプトファイルのエイリアスを上記の形式の名前で作ってみて下さい。
  276. (いずれはcmd-ctrlショートカットの為のカスタマイズ可能なテーブルを用意できればと考えています。)
  277.  
  278. さて、これでスクリプト編集プログラムなしでもスクリプトを扱えるようになりました。しかしながら、操作がどのように記録されるのかを理解しておくことは無益なことではありません。直ちにそのスクリプトを読んだり編集したりする場合は、Saveボタンを押す際にoptionキーを一緒に押してみて下さい。
  279.  
  280. 2.5.6 Launch Application(アプリケーション起動)
  281. QuoEditのフォルダの“Applications”フォルダ(又はその他のフォルダ)にある任意のアプリケーションを実行します。
  282.  
  283. 2.5.7 Let It Open(開かせる)
  284. QuoEditのフォルダの“Documents”フォルダ(又はその他のフォルダ)にある任意のファイルを開く依頼をFinderにします。
  285. ショートカットキーはcmd-shift-Lです。
  286. (Finderがスクリプティング非対応バージョンの場合、このメニュー項目は実行不可になります。)
  287.  
  288. 2.5.8 Speak/Stop Speaking(読み上げ/読み上げ中止)
  289. スピーチマネージャーがシステムに組み込まれていれば、このコマンドが有効になり、QuoEditはコンピュータに喋らせることができます。但しスピーチマネージャーがサポートする言語だけです。
  290. QuoEditはテキストのコピーをスピーチマネージャーに一度渡すだけですので、コンピュータが喋っている間はテキストの編集など自由です。
  291.  
  292. 日本語Text-To-Speech(J-1.1)については、仮名は読み上げ可能ですが漢字などは未対応です。
  293. (但し、AppleScript経由でOSの側で仮名漢字混じりの文を喋ってもらうことはなんとか可能です。Speak ItというスクリプトをMiscフォルダに用意してみましたが、ここで使うosaxのspeakコマンドは喋っている間CPUを完全に占有してしまうようで、あまりお勧めはできません。当面は今回限りの付属といたします。尚、仮名漢字混じりはPowerPCでなくては喋れないとのことです。)
  294.  
  295. 2.5.9 Pause Speaking/Continue Speaking(読み上げの一時休止/継続)
  296. ショートカットキーはcmd-option-Kです。
  297.  
  298.  
  299. ●3 全般的事項
  300. 3.1 データサイズ
  301. QuoEditが扱えるデータ量は、主にコンピュータに装備されているメモリに依存します。但し、カット/コピー/ペースト/ファイル挿入/ドロップができるデータ量は依然アプリケーションメモリに依存します。これらのことを大きなデータで行う場合は、Finderの“情報を見る”でメモリの使用サイズを増やしてみて下さい(Mac OS 8.5未満)。
  302.  
  303. 3.2 ショートカットキー
  304. 3.2.1 アピアランスマネージャー対応メニュー表示
  305. アピアランスマネージャーが組み込まれている場合、optionキーやshiftキー併用のショートカットがメニューに表示されます。
  306. ところで、QuoEditには全部のメニューコマンドにキー割り当てがあります。アップルのガイドラインでは「頻繁に使うコマンドにだけキーを割り当てなさい」とのことですが、私の場合全部頻繁に使うんです、ということでご容赦下さい。
  307.  
  308. 3.2.2 矢印キーの動き
  309. Appleのガイドラインが示す通り、
  310.     矢印キー → optionキー+矢印キー → cmdキー+矢印キー
  311. の順にその動きを拡大します。
  312.  
  313. 3.2.3 ショートカットのガイド
  314. Apple Guideがシステムに組み込まれていてQE ShortcutsというファイルがQuoEditと同じフォルダにあれば、ヘルプ(ガイド)メニューからショートカットのガイドが見られます。
  315.  
  316. 3.3 書類ごとの属性
  317. 3.3.1 ダイアログボックスでの設定
  318. Set Defaultボタンのある全てのダイアログボックスの設定は書類ごとの属性になり、それぞれの(QuoEditでつくられた)ファイルにリソースとして保存されます。例えば、Print Optionsダイアログボックスの改行文字を印字するかどうかは書類ごとの属性になります(特殊文字の印字は校正が必要な書類には有用な場合があります)。
  319.  
  320. Set Defaultボタンはダイアログボックスの内容を以後作られる新規書類の初期設定として直ちに設定します(この初期設定はアプリケーションの属性として扱われます)。
  321.  
  322. Page Setupダイアログボックスで設定された内容も書類ごとの属性になりますが、この情報(現時点一般的に120バイト)をファイルに保存するかどうかはPrint Optionsダイアログボックスで選択できます。(バージョン0.1番台と0.2番台では常に保存していました。)
  323.  
  324. 3.3.2 ウィンドウ位置の記録
  325. 書類のウィンドウが一度マウスまたはAppleイベントで移動された場合、保存時にその位置を記録します。
  326. 但し、Arrangeコマンドにより整列された後は、ユーザーによって動かされていないものとみなし記録はしません。
  327. (ズームされた状態での保存はお勧めしません。このサイズと位置をどう保存するかは今後の課題としておきます。)
  328.  
  329. 3.4 ドラッグアンドドロップ
  330. 書類ウィンドウやFindダイアログボックスでドラッグアンドドロップができます。テキストファイルのドロップも可です。
  331.  
  332. ドラッグアンドドロップの仕様は他のアプリケーションと同様規定通りです。それに加えて、ドラッグ開始時にoptionキーが押され且つアプリケーションの外にドラッグする場合、QuoEditはスタイル付テキストとして出力します。文字コード体系がOSと異なる外国語などを扱うのに良いと思います。
  333.  
  334. 3.5 WorldScript(System 7.1以降)
  335. 3.5.1 2バイト文字を含む言語
  336. WorldScript IIを含む該当するスクリプトシステムが組み込まれている場合、日本語、中国語、韓国語のように1バイト2バイト両方の文字からなる言語のテキストをQuoEditで編集できます。
  337.  
  338. 3.5.2 左←右方向の言語
  339. WorldScript Iを含む該当するスクリプトシステムが組み込まれている場合、アラブ語やヘブル語のような左←右方向のテキストをQuoEditで編集できます。但し、双方向の言葉を含まない(例えばアラブ文字の文脈に英単語が含まれない)という条件付きです。
  340. システムの文字方向が左←右である場合は、双方向のテキスト編集も問題ないようですが、画面上での選択範囲は常に続いているようにしか表示されないという制約はあります。
  341. ヘブル文字、アラブ文字のフォントを使った書類の行揃えについて、QuoEditはシステムの文字方向に関わらず、現時点では右揃え固定にしています。
  342.  
  343. 3.6 Finderの利用(Finderがスクリプティング対応の場合)
  344. QuoEditのいくつかの標準ファイルダイアログボックスから、optionキー+デフォルトのボタンで、Finderに目的のファイルを開かせることができます。(Open、Insert File、Execute Script、Save Sequenceで可能。)ファイルを選択してoptionキーを押さえている間ボタン名は[Open!]となります。このことはOpen Recentsのダイアログボックスにも適用されます。
  345.  
  346. また、QuoEditの多くの標準ファイルダイアログボックスから、option-shiftキー+デフォルトのボタンで、Finderに目的のファイルを表示させることができます。ファイルを選択してoption-shiftキーを押さえている間ボタン名は[Reveal!]となります。このことはOpen Recentsのダイアログボックスにも適用されます。
  347.  
  348. (但しエイリアスファイルを選択してoptionキーを押さえている時は、標準ファイルダイアログのするべきことが優先されます。)
  349.  
  350. 上記のことは、FinderにAppleイベントで依頼を送ることで実現しています。
  351.  
  352. 3.7 検索
  353. 3.7.1 大文字/小文字の無視の仕方
  354. 一度、バージョン0.43の時に検索エンジンを作り直した際に、変更がありました。
  355.  
  356. Findダイアログのcase sensitiveオプションがoffの時、
  357. 1) 旧バージョンでは、欧文フォントの書類に限り、大文字/小文字の他にドイツ語、フランス語などで使われるウムラウトやアクセントなどの記号も無視していました。現在はこの手の記号は常に認識して検索します。
  358.  
  359. 2) スクリプトシステム(WorldScript)の機能を旧バージョンより多く活用しています。例えば、該当するスクリプトシステムが有効な場合、日本語、韓国語、中国語の書類において2バイト(全角)の大文字/小文字を無視します。或いは、キリル文字圏用のスクリプトシステムが有効な場合、キリル文字の書類上でもその大文字/小文字を無視します。
  360.  
  361. 3.7.2 正規表現(grep)
  362. 初歩的なレベルですが、2バイト(全角)文字対応の正規表現の検索ができます。
  363. 次のメタ文字が検索文字列に使用可能です(置換文字列では使えません)。
  364. 正規表現中に改行文字を含めることはできませんのでご注意下さい。
  365.  
  366.     ^    行頭一致
  367.             ^¥t        段落の頭にあるタブ
  368.     $    行末一致
  369.             )$        段落の最後にある“)”
  370.     .    改行文字以外の一文字
  371.     ?    直前のパターンがゼロまたは一つ
  372.     *    直前のパターンがゼロまたは一つ以上
  373.     +    直前のパターンが一つ以上
  374.     [s]    ブラケット中のどれかの文字(大文字/小文字は常に区別)
  375.             [abc]    a、b、c
  376.             [a-z]    a、b、c、 ...... x、y、z
  377.     [^s]    ブラケット中にないどれかの文字(大文字/小文字は常に区別)
  378.             [^0-9a-zA-Z]    英数以外の文字なら何でも
  379.     ¥    エスケープシーケンス(日本語フォント以外ではバックスラッシュ)
  380.             ¥b        バックスペース(¥x08)
  381.             ¥e        エスケープ(¥x1B)
  382.             ¥f        フォームフィード(¥x0C)
  383.             ¥n        ラインフィード(¥x0A)
  384.             ¥r        キャリッジリターン(¥x0D)
  385.             ¥s        スペース(¥x20)
  386.             ¥t        タブ(¥x09)
  387.             ¥xDD    16進数文字コード(1〜4桁)
  388.             ¥^C        コントロール文字
  389.             ¥C        その他:その文字自身(大文字/小文字は常に区別)
  390.  
  391. 3.8 色
  392. ウィンドウヘッダの色が日々変わっていることにある日気付いたとしても、どうか落ち着いて下さい。単なるQuoEditの仕様です。4月1日が始点になってます。
  393.  
  394. 3.9 Quoとは?
  395.  q:速い(quick)操作(希望)
  396.  u:分かりやすい(understandable)シンプルな仕様(ややこじつけ的希望)
  397.  o:OSA(Open Scripting Architecture)対応
  398.  
  399. 他に、ラテン語で「どこへ」「どこまで(どれ程)」などの意味があります。
  400.  
  401.  
  402. ●4 AppleScript/Appleイベント
  403. 4.1 AppleScript対応
  404. AppleScriptとは、様々な仕事を自動化することができるとても便利なものです。QuoEditはAppleScript対応で、ドラッグアンドドロップ以外の殆どの操作についてスクリプトを書いたり記録することができます。
  405.  
  406. 尚、AppleScriptそのものについては関連書籍等にお任せするとして、ここでは記述しません。
  407.  
  408. 4.2 紛らわしい言葉
  409. 4.2.1 「コマンド」「イベント」
  410. AppleScriptの「コマンド」については、アプリケーションのメニューコマンドと区別する為、この文書ではAppleイベントの観点から「イベント」と表現しています。
  411.  
  412. 4.2.2 「スクリプト」
  413. 「スクリプト」という言葉にはMac OSでは2通りの意味があります。
  414. (1) 言語(language)の総称。例えばローマンスクリプトというと英語、ドイツ語、フランス語などが該当し、日本語スクリプトというと日本語しか該当しなかったりもします。ここで取り上げるスクリプトは勿論この意味ではありません。
  415. (2) ユーザーが書くことのできる実行可能なプログラム又はそのプログラムの素になる命令を記述したテキスト。特にここではAppleScriptの様式で書かれたスクリプトのことを意味します。
  416. と言うことで、「スクリプト」の意味について混乱しませんように。言葉の前後関係で区別できると思います。
  417.  
  418. 4.2.3 「AppleScript」
  419. AppleScriptとは、Apple Computer社のオープンスクリプティングアーキテクチャ(OSA)をサポートする所のスクリプティングコンポーネントの一つです。ですから、この文書中で単に「AppleScript」と書かれていても「AppleScript又はその他のスクリプティングコンポーネント」のように理解することが可能です。(QuoEditの動作テストは実際にはAppleScriptでのみ行っています。)
  420.  
  421. 4.3 用語
  422. QuoEditの用語は英語表現形式を前提に作られていますので、スクリプトを開いたり書いたりされる場合は必ずスクリプト編集プログラムで英語表現に設定した上で行ってください。
  423. 扱うイベントやクラスについては、スクリプト編集プログラムの“用語説明を開く”コマンドでQuoEditを選択するか、又はQuoEditのアイコンをスクリプト編集プログラムのアイコンにドラッグすることでも参照できます。頻繁に参照される方は次のスクリプトをお試し下さい。
  424.  
  425.     tell application "スクリプト編集プログラム"
  426.         launch
  427.         activate
  428.         open ((path to application "QuoEdit") as alias)
  429.     end tell
  430.  
  431. 4.4 AppleScriptの制約
  432. AppleScriptが扱えるテキストの大きさは30000バイトまで(*)と学んだことがあります(Apple Computerの何かの資料で読みましたがどの資料だったかは不明)。
  433. 但し、二つのプログラム(例えばQuoEditとAppleScript)が直接テキストそのものを送受信しない場合はこの制約を受けません。クリップボードやファイル経由でテキストをやりとりする場合も勿論この制約は受けません。
  434.  
  435. 例えば、大量のテキストを選択して次のような文を含むスクリプトを実行すると、メモリエラーが返されるか、システムエラーを起こすこともあり得ます。
  436.     if selection as text is not "" then
  437. この問題は次のように置き換えることで避けられます。
  438.     if 0 < length of selection then
  439.  
  440. (*) 実際にはAppleScriptのエラーメッセージでは最大32KB(=32×1024=32768バイト?、因みにTextEditの制限は32KBではなく32000バイト)までと表示されますが、現在QuoEdit添付のスクリプトでは安全の為30000バイトまでに制限しています。もし32000バイトまで大丈夫ようであれば変えて頂いて構いません。
  441.  
  442. 4.5 Transliterate(文字の変換)
  443. このイベントが送られてきた場合、QuoEditは単にその命令を翻訳してMac OSのTransliterateTextと呼ばれるツールボックスルーチンに伝え、その結果を指示された元のテキストと置き換えるということをします。
  444.  
  445. このTransliterateTextが扱える最大のデータ量については、2バイト整数の最大値、65535バイトのようです(数値は実際にいろいろ試した結果)。
  446.  
  447. 1バイト←→2バイトの変換結果が現在完璧でありませんが、TransliterateTextルーチンが使うところのリソースの問題と思われます。この件についてはApple Computerさんにぜひ改善のお願いをしてみて下さい。
  448.  
  449. 4.6 Cut/Copy/Paste
  450. QuoEditがバックグランドの場合cut、copy、pasteが正常にできないことがありますので、スクリプトでこれらのことをさせる場合はactivateさせた上で行って下さい。QuoEditはこの件については敢えてエラーメッセージを出しませんのでご注意下さい。
  451.  
  452. 4.7 Do Copyイベント
  453. AppleScriptがコンパイル時にCopyイベントのパラメータを受け付けない場合、Do Copyを使ってみて下さい。(コンパイル済みのスクリプトでは問題ありません。問題はコンパイル又は再コンパイルする時です。)
  454.  
  455. QuoEditはCopyとCutイベントにオプションパラメータを追加していて、Cutについては大丈夫なのですが、CopyについてAppleScript(バージョン1.3.2現在)はこのパラメータを受け付けようとしません。Copyは、多くのアプリケーションが扱うイベントであると同時にAppleScript標準のコマンドでもあり、その為AppleScriptが他のイベントとは違う方法で解釈しようとするのかもしれません。
  456. 尚、“do copy”はAppleScriptをだますための“copy”の単なる偽名です。
  457.  
  458. 4.8 Cut/Copyイベントのignoring nurseパラメータ
  459. 操作の記録中、QuoEditはCutとCopyイベントに対してこのパラメータを加えます。“nurse”は“no-user-selection error”の略(もじり)です。
  460.  
  461. 通常は、何も選択せずにCutやCopyをさせようとするとno-user-selectionエラー、つまり「何も選択されていませんよ」というエラーが返されることに決まっています。
  462. 例えば、タブで区切られたデータを扱っていて中に空のフィールドが所どころあるときなど、このエラーを無視することが役に立つでしょう。
  463.  
  464. 4.9 特定のインデックスを伴うインデックス参照
  465. 4.9.1 Documentクラスに属するfileクラス
  466. インデックスとして、1のみが有効です。
  467.     file 1 of document "abc" of application "QuoEdit"
  468.  
  469. 4.9.2 Applicationクラスに属するscriptクラス
  470. インデックスとして、-1、last、1、first のみが有効です。
  471. -1又は“last”は、Execute Scriptで最後に実行されたスクリプトを意味します。
  472.     last script of application "QuoEdit"
  473. 1又は“first”は現在Record Sequenceで記録されているスクリプトを意味します。
  474.     script 1 of application "QuoEdit"
  475.  
  476. 4.9.3 Applicationクラスに属するfileクラス/folderクラス
  477. インデックスとして、マイナスの数値又は“last”のみが有効です。これは最近のファイルやフォルダへの参照を意味します。
  478.     tell application "QuoEdit" to open last file
  479.     tell application "QuoEdit" to get folder -1
  480.  
  481. 4.10 フォルダ内のオブジェクトに対する名前参照
  482. QuoEditのフォルダ内のファイル又はフォルダに対して簡単な参照方法を用意しています。クラスは file か folder のいずれかで、あとはファイル名かフォルダ名だけで参照できます。
  483.     tell application "QuoEdit" to get folder "Scripts"
  484.  
  485. (クラス、コンテナクラス共に4.9.3の例と同じですが、意味は全く異なることに注意して下さい。最近のファイルとフォルダの為に新しいクラスを定義することを避けたかったのです。)
  486.  
  487. ところで、“Scripts”“Applications”“Documents”の各フォルダは同名のエイリアスファイルであり得ます。仮に、QuoEditのフォルダ内の"Scripts"がどこかのフォルダのエイリアスファイルであったとしても、心配は無用です。QuoEditが自動的に元のフォルダを見つけ出してそのフォルダへの参照を返すようになっています(但しバージョン0.44以降)。一方で、そのエイリアスファイルそのものへの参照が必要な場合はFinderのスクリプティングを利用して下さい。
  488.  
  489. 4.11 Choose One Fileイベント
  490. Choose One Fileとは標準のスクリプティング機能追加にあるChoose Fileの真似っ子、もとい、補完しようとするものです。オリジナルの方は表示するフォルダ(又はファイル)を指定できないのでQuoEditに追加しました。特定のフォルダでファイルを選ぶには、例えば次のように指定します。
  491.  
  492.     choose one file of type {"TEXT"} at alias "DiskName:jgawk:scripts:"
  493.  
  494. 又、このダイアログボックスでも、optionキー+デフォルトボタンでFinderに目的のファイルを開かせます。或いはoption-shift+デフォルトボタンでそのファイルを表示させます。これらの場合QuoEditはエラーコードの-128(ユーザーキャンセルエラー、つまりキャンセルボタンが押されたのと同意)を返します。
  495.  
  496. 4.12 Openイベントについて
  497. QuoEditは最近開いたファイルとそのフォルダを通常覚えるようになりましたが(バージョン0.4以降)、それはOpenイベントを受け取った際も同様です。
  498. しかし、QuoEditでファイルを開くスクリプトを何か書かれたとすれば、開くこと自体は自動化されているはずですので、そのファイルを覚えておく必要のない場合が多いのではないでしょうか。そのような場合、Openの命令に対して“without remembering”をパラメータとして追加しておくことをお勧めします。
  499.  
  500. 4.13 Do Scriptイベントについて
  501. Do Script文をファイルを指定して書く場合、複雑になるのを避ける為“without memory keeping”(メモリ保存しない)をパラメータとして付け加えておかれることをお勧めします。
  502. 操作記録中にExecute Scriptコマンドが実行された時はQuoEditは自動的にこのパラメータを追加します(バージョン0.4以降)。
  503.  
  504. 4.14 Do Keyイベントの一部のパラメータ
  505. 古いバージョンでは、タブの間を行き来するショートカットキーは[cmd-tab]と[cmd-option-tab]でした。現在は、それぞれ[control-tab]と[control-option-tab]になっています。[cmd-tab]は、Mac OS 8.5より新たにプログラムの切り替え用に使われるようになったからです。
  506.  
  507. 従って、例えば、次のタブストップまで移動する命令文として
  508.     do key _tab with {_cmd}
  509. は、今後
  510.     do key _tab with {_ctrl}
  511. とお書き下さい。ポイントは、_cmdに代わって_ctrlを使うことです。
  512.  
  513. 【重要】
  514. [cmd-tab]のパラメータで既にスクリプトをいくつか書かれましたでしょうか? 或いは[cmd-tab]の操作を記録したものを沢山のファイルに保存済みかもしれません。
  515. それについては心配ご無用です。幸い、Do Keyイベントは実際のキー操作を発生させるものではないので、例えば
  516.     do key _tab with {_cmd}
  517. の命令は、[cmd-tab]のキー操作としてMac OS 8.5に認識されることなく、きちんとQuoEditに届いて処理されるからです。ですから既にあるスクリプトは従来通りの動作をします。
  518. しかしながら、将来のバージョンではタブ移動のパラメータとして[cmd-tab]を受け付けない可能性があります。大事なスクリプトに[cmd-tab]の指示をしたDo Key文が含まれている場合、書き換えておかれることをお勧めします。
  519.  
  520.  
  521. ●5 環境
  522. 5.1 必要なシステム
  523. Mac OSはシステム7以降(漢字Talk 7.1以降)である必要があり、これは必須です。(System 7.0での動作は実際には未確認です。)
  524.  
  525. 以下は必ずしも全部が必須ではありません。任意です。
  526.  
  527. [AppleScript]
  528. Extrasメニュー中の最初の5つのコマンドを実行するにはAppleScriptがインストールされている必要があります。漢字Talk 7.1にはAppleScriptやスクリプティング機能追加が本来含まれていませんので、入手して組み込む必要があります。漢字Talk 7.5以降を標準の状態で使われている場合は、既にAppleScriptが使える状態になっています。
  529.  
  530. [スクリプティング対応のFinder]
  531. 多くの状況で、QuoEditはファイル(稀にフォルダ)を開いたり表示したりする命令をFinderに送ることができますが、その為にはFinderがスクリプティング対応である必要があります。(AppleScriptは組み込まれていなくても可です。)
  532. System(漢字Talk)7.1については、Finderのバージョンが7.1の場合スクリプティング未対応ですが、Finderの7.1.3と“ファインダースクリプティング機能拡張”の組み合わせでスクリプティング対応になります(7.1.2も多分大丈夫?)。OSのバージョンが7.5以降については標準で対応しています。
  533.  
  534. [Macintosh ドラッグ & ドロップ]
  535. 漢字Talk 7.1の場合、ドラッグアンドドロップをする為にはMacintoshドラッグ&ドロップを可能にする機能拡張が必要です。
  536.  
  537. [スピーチマネージャー]
  538. スピーチの機能を使うには、Speech Managerが必要です。インストーラなどはText-To-Speechという名称になっているかもしれません。
  539.  
  540. [アピアランスマネージャー]
  541. Shiftキーやoptionキーを伴うショートカットキーの割り当てをメニューに表示するにはアピアランスマネージャーが必要です。Mac OS 8以降では標準で組み込まれています。
  542. 但しこれが無くてもQuoEditは同様に処理をしますので、ショートカットキーを使う分には影響はありません。
  543.  
  544. [Apple Guide]
  545. ヘルプメニュー(ガイドメニュー)からショートカットについてガイドを見るにはApple Guideがインストールされている必要があります。漢字Talk 7.5以降を標準の状態で使われている場合は、既にインストールされています。
  546.  
  547. 5.2 開発環境
  548. QuoEditのこのバージョンの開発とテストは以下の設備で行いました。
  549.  
  550.     コンピュータ:Power Macintosh G3 DT233
  551.     OS:Mac OS 8.1、8.5 (+ Language Kit少々)
  552.     開発ツール:Symantec C++ version 7.0(C言語)
  553.           Guide Maker 1.4b3
  554.     プリンタ:PC-PR1000EW NEC
  555.     プリンタドライバ:MacPrint Pages ver.1.0.1 関西電機
  556.  
  557.  
  558. ●6 配布等
  559. QuoEdit 0.44はフリーウェアで、知人友人等に無料配布OKです。
  560. QuoEditに対する著作件等の権利は作者の酒井遼明が保有します。
  561. 付属のスクリプトについても同様ですが、これについては権利にこだわるものではありません。ユーザーの責任において再利用して頂ければ良いと考えます。
  562. QuoEditの使用結果に対して作者は責任を負いません。とはいえバグの報告などは大歓迎です。
  563.  
  564.  
  565. ●7 最後に
  566. QuoEditの改善に役立つ報告や貴重なアドバイスを寄せて頂いた方々に心よりお礼申し上げます。
  567. 他にもご意見、ご感想などメッセージを頂きました。どうもありがとうございました。
  568.  
  569.  
  570.  
  571. 平成10年10月
  572. 酒井遼明
  573. E-mail:NDA02214@biglobe.ne.jp / HZI02445@nifty.ne.jp
  574.  
  575. (SSC01348@niftyserve.or.jpは平成10年4月より無効になっていますのでご注意)